五里霧中



「……落としたよ」


僕の後ろを歩いていたカインが、拾った芋を差し出してくる。


「おー、ありがとう。悪いんだけど、上に乗せてくれる?」


「……ん」


カインが僕と視線を合わせないように気をつけながら腕にそれを重ねる。


その間も決してカインとカイルの手が離れることはない。


まるで見えない糸で縛りつけられているように。


……絆と依存って、どこに違いがあるんだろうなぁ。



そんなどうでもいいことを思索しながら、ふとカイルに視線を移す。


カイルはいつでもカインのことを見ていない。


……なぜかはわからないけど。




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