弟以上☆恋人未満~バレンタインデーの贈り物~
それやのに
その酔っ払いの男は
『なぁなぁそこの姉ちゃん そんな若い子相手にせんと俺と話そうな』
ユタカが
やんわりその客に
話し掛けるが
おさまらず
何度も何度も
私に話し掛けてくる
ユタカがカウンター越しに
注意してるのに止めない
私が聞こえてない
フリをしてると
『何無視してんねん
お高くとまってるんとちゃうか』
などと大きい声を出した
大声出すだけやなく
私の腕を掴んだ
その瞬間
カウンターからユタカが
出ようとするよりも先に
ガタンと席を立ったSHIROが
いきなり男の胸倉を掴んで
『俺の大事な人に何すんねん!触んなや!さっきから黙って聞いてりゃ勝手なことばっかりぬかしよって!金払って早う帰れ!』
普段穏やかなSHIROが
こんな風にキレたのを
見たのは初めてだった
男と私の間に入って
壁を作ってくれてる
男はSHIROの勢いに
慌てて帰って行った