俺が堕ちた……相手は王子?
今まで見たことのないしおらしい姿の透を見た瞬間
「僕、好きな人が出来たんです!!ねっ?龍??」
……おい。このタイミングかよっ!!!
うるうると綺麗な顔を歪ませて泣かれても……既に男子校生活で飢えた先輩達ならともかく俺は……。
「あ”?お前誰?」
迫ってくる先輩達が怖いんですけど!!!!!
そんな俺をかばう様に、透は俺に軽く抱きついた。
「僕、彼、矢野龍君と付き合う事になったんです♪」
凍りついた食堂。
そして、王子親衛隊以外の冷めた目線。
燃え上がる……嫉妬の炎。
あ~もう!!
こうなったらやけくそやわっ!!
「こっち来いっ透!すんませんねぇ、昨日から俺達付き合う事になったんですわ!」
「はぁ?覚えておけよ?」
去っていく先輩の姿を見て、透はそっと俺から離れた。