月に秘めた恋
駆け落ち・・・


そうだったのか


「それで・・・未憂を産んで


とても幸せだった


でも 主人は酒癖が悪くて


最初は凄く優しい人だったのよ?」


「あの・・・もういいです」


「ごめんなさいね?」


少し・・・似てる気がした


未憂のお母さんと・・・


「あの・・・その事未憂は」


「・・・知らないわ


父親とは離婚して その後


死んだって言ってあるから


ちょっと・・・話し過ぎたわね?」


そう言いながら 少し笑っていた


俺は そんな未憂の事を


支えられていただろうか?


今だって よくわからないのに・・・


「だから・・・湊君


未憂の力になってあげて?」


「・・・」


それから 未憂のお母さんは


家に向かって歩き出した


残された俺は どうすればいいのか


わからなかった


なぁ・・・未憂


俺は 君を好きだって想っても


いいのだろうか?
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