月に秘めた恋
その場に座り込んで 


フェンスに寄りかかった


ふと 空を見る


その時 スマホが鳴った


ポケットから出す


【羽山未憂】


ドキン


未憂からの電話・・・


珍しいな


通話ボタンを押した


「もしもし・・・?」


『・・・湊君?』


ドキン


電話越しの未憂の声は少し


寂しそうに聞こえた


「どした?」


『今から・・・少しだけ


出て来れないかな?』


今からって・・・


時計を見ると あと数分で


授業が始まる


「・・・」


『ごめんね? 無理・・・だよね?』


「いや・・・いいよ」


『でも 授業始まっちゃうよ?


ちゃんと出なきゃ・・・


私の話は 大した事じゃないから』


そう言って 電話が切れた
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