月に秘めた恋
「じゃあ お前等が未憂の立場だったら


どんな思いだ?


自分の携番とメアド 知らない奴に


知られたら・・・嫌だろ?」


「・・・」


湊のその言葉で 女子達は


落ち込んだ顔をしていた


「未憂の心の傷を増やすつもりか?」


「・・・だって」


「何か文句あるなら 聞くぜ?」


湊の声が低く聞こえた


「もういい! 行こう!?」


「待ってよー」


女子達は裏庭を走り去った


どうしよう・・・出るに出られない


「・・・そこに居るんだろ?」


え?


「未憂? 出ておいで?」


湊の優しい声が 近付いて来た


私は焼却炉の裏から出てきた


ぎゅ


湊は私を抱き締めた


「・・・もう大丈夫だよ


怖い思いしたな」


ドキン ドキン・・・


身体が震えているのが自分でも


わかった


何も・・・言えない
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