レクイエムロード
 "悪夢"はその体を光の粒へと変化させていった。その様子は――とても綺麗だった。
その光の粒は太陽の光を受けてか、キラキラと光り舞い上がり空へと溶けていった。
 アークとルイは共に祈りを捧げた。放浪公爵の企みで"悪魔"へと製造され残念な末路を辿った人間へ。
「お許しを・・・」
 途端に彼らの体は光にやさしく包まれた。アーク、ルイの二人の視界は眩しく光る白に握り潰された。
光の柱が消滅すると、そこには大きな図体に黒く古ぼけたコートを着た男が存在していた。
「第五修正班・・・見事でス」
 大男――放浪公爵はそう言葉を吐き捨てると光に包まれた。光の柱が消えると、その森の広場には誰もいなくなった。

 森には鳥の囀り。風の音。揺れる木々の音。
 涼しげな音がその場の出来事が何も無かったようにする。
 森はこの秀麗な音に洗礼された。

  その森に永遠の静寂が訪れた―――


          第一章 完
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