月夜に舞う桜華



「皇蘭は、小さくはあったが、そこらの族に負けない強いチームだった」


仲間同士も仲がよく特に幹部、総長はまるで兄弟のようにも思えたと言う。


そんなチームがいきなりのトップ替え。
外からの攻撃があったという話はない。


「しばらくしてから幹部も総替えになった。――――1人を、除いて」


グッと握り拳を作る。


「可笑しいよな?1人以外の幹部、総長が変わるなんて」

「…………ろ」

「それで1つ仮説を立てたんだ」

「………めろ」

「皇蘭総長は、その1人に――「やめろって言ってんだよ!!!」


頭で考えるより先に、足が出てしまった。


何も知らないくせに
何も知らないくせに!!!!



分かっていたのに、結局あたしは感情に負けてしまった。


< 134 / 310 >

この作品をシェア

pagetop