月夜に舞う桜華
「皇蘭は、小さくはあったが、そこらの族に負けない強いチームだった」
仲間同士も仲がよく特に幹部、総長はまるで兄弟のようにも思えたと言う。
そんなチームがいきなりのトップ替え。
外からの攻撃があったという話はない。
「しばらくしてから幹部も総替えになった。――――1人を、除いて」
グッと握り拳を作る。
「可笑しいよな?1人以外の幹部、総長が変わるなんて」
「…………ろ」
「それで1つ仮説を立てたんだ」
「………めろ」
「皇蘭総長は、その1人に――「やめろって言ってんだよ!!!」
頭で考えるより先に、足が出てしまった。
何も知らないくせに
何も知らないくせに!!!!
分かっていたのに、結局あたしは感情に負けてしまった。