月夜に舞う桜華
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トントンと屋上に続く階段を上がっていく。
ちらっと肩越しに後ろの様子を窺えば、椿命とも言えるバカ四人が不安げについてきている。
先程からボソボソと言い合っているようだが、何をいってるかは聞こえてこない。
俺は、大して気にもせずにただ前を歩いていた。
今頃、彰真と椿が喧嘩を始めているだろう。
彰真の奴、いやに楽しみにしていた。
また、あれをしていなければいいが。
彰真は、実は二重人格なのではないかと最近思っている。
普段と喧嘩とでは雰囲気も態度も性格も何もかもがガラリと変わってしまうのだ。
最初はあのギャップには中々ついていけなかったものだ。
漸くついた屋上では、ドア越しであるのに、何かを殴る音や叫ぶ声が聞こえる。