月夜に舞う桜華



――――すまなかった!!!


彰真が、土下座をしながら床に頭を叩きつけ謝ってきたあの日のことはまだ記憶に新しい。


「椿ちゃん、なんかあったの?」


雷杜は、あたしを地面に下ろすと顔を覗き込むようにしながら首を傾ける。
男にしては愛らしい容貌であるのに、一番の暴れん坊だと一体誰が思うだろうか。


「別に、何も」

「そう?」

「問題はあれ」


朔夜と司の方を指差せば、雷杜はあらまと苦笑する。


「また睨みあってるの?懲りないねぇ」


あの司って奴。
やれやれと雷杜は肩をすくめた。


雷杜の言葉にあたしも頷く。
もはや日常茶飯事のように毎日あの二人は睨みあっている。
飽きないよなぁっと毎日思うのだ。


「ま、根本的な理由は椿ちゃんだもんね」


うっと首をすぼめる。


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