月夜に舞う桜華



「―――皇蘭だった頃と同じように、朔夜の隣は安心するの。」


もしくは、皇蘭以上に。


「なんで!俺達が!」

「司達の側にいるのが嫌な訳じゃない。司達も変わらないあたしの居場所だ。」


でも、心は、朔夜を住まわせているんだ。


「………っ」

「ずっと、司達はあたしが縛り付けてきた」


独りは嫌だったから。ずっと側にいると誓ってくれた四人にあたしは頼りすぎていた気がする。
ずっと、一生側にいてくれるなんて都合がよすぎだった。


「ありがとう。ずっと側にいてくれて」


グッと唇を噛み締めて握りこぶしをきつくしながら下を向いていた司は、弱々しく言葉を紡いだ。


「―――そんな、寂しいこと言うなよ」


頼りなく眉を下げた司は、少し後ろで彰真と睨みあっていた三人を呼ぶ。


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