月夜に舞う桜華



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雅龍の倉庫に来たのは二回目だ。
初めて来た時より倉庫に集まっている人数は多くなっている。


「総長!おかえりなさい!!」

「あぁ」


道を進む度に挨拶をしながら頭を下げていく男達にあたしは皇蘭を思い出す。
朔夜に頭を下げたあと、朔夜の半歩後ろを歩いているあたしを見ると、一瞬目を見開き、そして深々と頭を下げた。


恐らく、誰かがあたしのことを話したんだろうなと思いながら軽く頭を下げて返す。皇蘭ならまだしもここは朔夜のチームの所だからちゃんとしないとね。


そのまま連れられて奥の部屋に連れていかれる。
部屋には昌達以外にも初めて見る人が数人いた。
幹部の皆がカラフルだから、そうなのかと思ったけれど、初めての人達は意外にも黒髪だった。



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