月夜に舞う桜華
そう思ったのはこの部屋にいた全員同じようで、皆首を傾ける。
「椿さんに?」
「はい、司って奴が」
「司?」
司という名前にあたしは朔夜の上から退いてドアに向かう。
「司がどうかした?」
「下に来てます」
パチパチと瞬き。
司が来てる?なんで?
不思議に思いながらもとりあえず司の所に行こうと思う。
あたしは、体半分を向きなおして朔夜に断りをいれる。
「ちょっと行ってくる」
「待て、俺も」
「下に行くだけだから」
別に何処にも行かないし、司がいるし。
それに会議でしょ?いいよ。
会議は大事だから、と言うと分かっているのか渋々朔夜はソファーに座り直した。
それにあたしは小さく頷いて、下っ端の人と一緒に司の所に向かった。