月夜に舞う桜華
「椿――!」
下に降りるとそれに気づいた司が手を振ってくる。隣には、潤、智樹、雅紀もいる。
「一体、どうしたわけ?」
「ん?ちょっと椿に見せたいものがあってな」
ニコッと笑う司に見せたいもの?と首を傾ける。
「本当はもっと早く見せたかったんだけど邪魔ばっかだったから」
不満そうに潤は言うが、しかし嬉しそうだ。
「………変なものじゃないよな?」
「当たり前っきっと椿も喜ぶ」
雅紀と智樹はあたしの両隣に来たかと思うと、がしっとあたしの腕を捕まえた。
「は?」
「よし行くぞ」
満面の笑みで楽しそうにあたしを連行する。
「ちょっと待て!!」
倉庫から出ようとしていたあたし達を呼び止める声が響く。