月夜に舞う桜華
「その手があったか」
ふむ、と司が頷く。
えっと司に目を向ければ、司は潤達に何か話している。
(なんか話が違う方に……)
「よし、雅龍に入るか!」
「はぁ!?」
宣言された言葉にあたしは声をあげる。
「何勝手に!そんなの朔夜が認めるわけ―――」
「認めるだろ。あいつなら」
椿を護りたいなら、な。
ニヤリと笑う司にあたしは肩を落とした。
「そうと決まれば雅龍の倉庫に行こーぜ!!!」
「「おう!!」」
ノリノリでバイクに跨がっていく彼らにあたしは、呆れながら、でも嬉しかった。
「さて、戻るか」
ポンッと背中を押され、あたしは呆れ混じりに頷いた。
全く………馬鹿な連中。
歩き出した司達に遅れながらあたしはゆっくりと歩き出す。