月夜に舞う桜華
『待てよ!馬鹿司っ』
『ぅぐ?!』
背後からの奇襲に俺は身構える暇もなく、見事に前に吹っ飛ぶ。
べしっと地面に叩きつけられ、苛っとくる。
『…………てぇな』
そのままの体制で体だけを動かせば、俺を見下すように三人仁王立ちで立っている。
『智詩、潤、雅紀………てめぇら…』
ギロリと睨むが、三人はどこ吹く風で、
『ハッお前が変なこと言ってるからだろ!』
『桜姫と一緒にいるのは俺達だ!』
『お前はすっこんでろ!』
口々に言いたいことを言う三人に俺は、青筋を立てた。
『てめぇら………一応、俺は、先輩だぞ………?』
『『『知らねー』』』
ハッと三つ子のように同じ反応をする三人に殺意が芽生える。