月夜に舞う桜華



茶髪は、グッと言葉を詰まらせる。


「潰したいなら勝手に潰せば良い。皇蘭の総長、桜姫は既に死んだ」


あたしは、一気に吐き捨てると、今あたしの手を捕らえている朔夜の手を剥がしにかかる。


一刻も早くここから出ていきたかった。


ここは駄目だ、と訴えてくる。
この雰囲気は、あたしが一番知っている。


(っ外れない!!)


なんなのこの力?!


朔夜の手と格闘しているあたしは何だか滑稽だ。
すると、突然朔夜が立ち上がると、グイッと腕を引っ張られた。
そのまま、引き摺られるように別の場所に連れていかれる


外へと繋がるドアとは別の方に。


「ちょ、離せ!あたしは帰るんだ!」

「…………」

「聞け!」


しかし、朔夜はあたしの言葉に耳を貸さず、別のドアを開けた。


< 44 / 310 >

この作品をシェア

pagetop