王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
男女混合アザミ寮

一話


「なんなのよ、これ……」

 揺れるたびに、背広の間に身体が押しつぶされて窒息しそうになる。

「これが、満員電車……」

 知識はあったけれど、これほどだとは思わなかった。

「きゃっ」

 電車にブレーキがかかった瞬間、周囲の体重がさらにのしかかる。

 ものすごい圧迫感。

「……つ、つぶされる」

 圧死の恐怖とともに、イギリスでの生活が走馬灯のように頭に浮かぶ。

死ぬ前にこれまでの人生を思いだすっていう噂は本当だったんだ。
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