王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
「琥珀、そこまで。女の子をいじめちゃダメ」
「ほぇっ?」
思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
明らかに御影とは別人の声。
ここには、他に誰もいなかったはず。
「新寮生の対応なんか面倒だって隠れただろう? 今さら口を出すなよ、純也」
「だって、入寮初日に恋におとしたら可哀想でしょ」
「その自信がどこからでてくるのか、俺は不思議だ」
声の主はソファーの後ろからゆっくり姿を現した。
綾菜は思わず目を見張る。
「うわぁ……。美形だぁ」
色素の薄い肌に栗色をしたミディアムレイヤーの髪。
長いまつ毛から覗く瞳は妙に艶があって、見ているとこちらが照れてしまう。
王子……? ううん、違う。王女さまだ。
絵本に出てくる王女さまが現実にいるなら、多分、こんな感じ。
「このレベルは、ありえないよ」
冗談ではなく、雫学園の男子は入学基準に美形が入っているのかもしれない。