王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

「琥珀、そこまで。女の子をいじめちゃダメ」

「ほぇっ?」

 思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。

 明らかに御影とは別人の声。

 ここには、他に誰もいなかったはず。

「新寮生の対応なんか面倒だって隠れただろう? 今さら口を出すなよ、純也」

「だって、入寮初日に恋におとしたら可哀想でしょ」

「その自信がどこからでてくるのか、俺は不思議だ」

 声の主はソファーの後ろからゆっくり姿を現した。

 綾菜は思わず目を見張る。

「うわぁ……。美形だぁ」

 色素の薄い肌に栗色をしたミディアムレイヤーの髪。

 長いまつ毛から覗く瞳は妙に艶があって、見ているとこちらが照れてしまう。

 王子……? ううん、違う。王女さまだ。

 絵本に出てくる王女さまが現実にいるなら、多分、こんな感じ。

「このレベルは、ありえないよ」

 冗談ではなく、雫学園の男子は入学基準に美形が入っているのかもしれない。
< 15 / 191 >

この作品をシェア

pagetop