王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
綾菜はどれだけ異性が苦手か、先程から繰り返し説明をした。
対する答えは慣れろの一点張り。
確かに慣れるほど異性に接したことはないが、努力でどうにかなるとも思えない。
「気絶しちゃうんですよ、私」
「問題ない。倒れていたら、運ぶくらいしてやる」
「はぁ?」
気を失うほど苦手だと言っているのに、まともに相手にしてもらえない。
ホントに意地悪。
「倒れたら、対処はすると言っている。証明してほしいのか?」
御影はソファーから立ちあがった。
口元を僅かにあげ、さも楽しそうに歩を進めてくる。
「やめてっ。来ないで」
背中は壁。
後ずさりすらできない状況に、綾菜は真っ青になった。
このままではまた、気が遠くなってしまう。