王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

「ホントに勉強しなきゃ……」

 寮の四階にある図書室。西の端にあるという不便さのせいか、利用する生徒は少ない。

 綾菜は本棚の隣にある机に向かって座ると、深いため息をついた。

「絶対にマズイ」

 採点を終えて戻ってきたミニテストの用紙をそっと開く。

「二十七点」

 三割にも満たない数字。絶望的だ。

 ――期末考査で各科目七割を取れなかった者は、試験休み中に補講を受けなくてはならない。

 そんなルールがあることなど、理佳に聞くまで、ちっとも知らなかった。

「ひどい点数だな」

 頭の上から突然降ってきた声。

 驚きで綾菜の肩がびくりとあがった。

「やだ、琥珀。驚かせないでよ」

 正面に御影が立っていた。

「普通は前に誰かが来たら気づくだろ。お前はそのいい点数に感動していてわからなかったみたいだけど」

 綾菜はむうっと頬を膨らませた。

 今、一番触れられたくない話なのに、ばっちり嫌味を交えて言われてしまった。

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