王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

三話


「交流会?」

 理佳のオムライスに、ケチャップでハートを描こうとして、手をぴしゃりと跳ねのけられる。

 諦めて、綾菜は自分の分に理佳との相合傘を描く。消そうと伸びてきたスプーンをブロックし、笑顔で口に運んだ。

「アンタ、いいかげんにしないと殴るよ」

 最後まで言わないうちに、鉄拳が飛んできた。

「もう、殴ってるし……。しかも、グーで」

「アンタがふざけてばっかりいるからだよ。ちゃんと話を聞きなさい」

「はーい」

 大好きな東久保理佳と向かい合わせのテーブル。例によって、周りは女の子だらけになった食堂。

 綾菜にとって至福の時間。

 テンションがあがりすぎて、羽目を外すくらい許してほしい。
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