ワケアリ夫婦っ!!

「「おはようございまーす!」」
電車を乗り継いで、ファミレスに到着。
タイムカードをおしてから、真っ先に更衣室に向かって、まだ着慣れなれない制服に身を包む。
「ちょっと真希、静電気で髪ボサボサなってるよ」
「わっ、ほんとだ」
鏡を見ながら髪を整える真希。なんか、真希がこの制服着るとさまになってるなぁ。
「てかさ、ここ時給もいいし、雰囲気もいい感じだけどさぁ。あたし、ここの店長苦手〜」
顔をしかめながら話す真希。
「あ、あたしも。化粧濃いし。性格キツいし。なんか話しづらいよね〜」
ここの店長の山崎さんは、四十歳半ばの女性。
面接の時は優しかったのに、いざバイト始めるときついのなんのって………。
「目、こんな感じだよね〜キーッて感じ!!」
「ぎゃはははっ」
指で目を釣り上げながら、店長の真似する真希がおもしろくて、思わず爆笑していると……。
ガチャッ。
「ちょっと、新入り!! いつまでもくっちゃべってないで、早く仕事しなさい!!」
噂をすれば影。いつにもまして、化粧の濃い店長登場。
「「はいっ、すみません」」
真希と声が重なって謝ると、店長は目を光らせながら出て行った。
「ふぅ〜、行こっか」
そう言って、あたしたちは更衣室を出る。
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