ワケアリ夫婦っ!!
「今日も化粧濃かったね〜」
「アイシャドウとかパンダだもん」
「あははっ、言えてる〜」
廊下を歩きながら、真希と歩いていると。
「あ………」
「どした奈央?」
あたしたちの前から、背の高い男の人が歩いてくるのに気づく。
「煌星くん、おはよ」
「ん、はよ」
無表情のまま、あたしたちを見もせずに、あくびをしながら通り過ぎたのは同じバイトの煌星くん。
なんか、クールっていうか。あんまり人と関わりたくないって感じのオーラを出していて、少し話しかけにくい。
身長は、日向より少し低めだけど、あんまり明るい方ではないし、黒髪だし。
日向とは逆って感じがする……。
「奈央、よく話しかけられるよね。なんか、あの人かっこいいけどさ、怖くない?」
「怖くはないけど……一応あたしたちより先にバイトしてたんだから、挨拶ぐらいしとかないと」
歳はあたしたちと同じらしいだけど、バイト先では先輩にあたる。
「えらいね、奈央。あたしも見習お〜」
なんて呑気に言った真希は、スキップをしながら歩いていく。そんな真希の後ろ姿に、笑いがこぼれながらもあたしは真希を追いかけた。
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