超ショートNovel's
すずらん
ひた、ひた、ひた……
……――まただ…
「……ね…い……きて……」
また、この夢。
「…て……よ…」
俺は最近、同じ夢を何度も見るようになった。
真っ暗で何もない空間に、突然現れる少女と墓石。
その少女は何か呟きながら俺に迫ってくる。
俺は身動き一つできず、少女を見つめる。
そして俺の目の前に来て何か言おうとして………そこでいつも目が覚める。
もちろん寝起きが良いとは言えない。
今日もその夢を見て、同じところで目が覚めた。
「…ったく…ほんと気味悪ぃな……」
しかもそれは頻度を増している。
授業中に居眠りをした時にも、ちょっと昼寝をした時にもその夢を見る。