超ショートNovel's
そんなある日、今日も俺はあの夢で目覚めた。
そして何気なくカレンダーに目をやる。
「………ん……?
……あ…!!」
俺は今日という日に、思い当たる事があった。
「…あいつの命日……」
そう、俺の幼馴染みの命日だったんだ。
俺の幼馴染みは、一昨年に不慮の事故で命を絶った。
俺は悲嘆に暮れ、墓参りに行く気にはなれなかった。
……だからあいつ…墓参りに来て欲しいって言いたかったんじゃないか…?
だから俺の夢に出てきたんだろ?
だったら俺は行かなくちゃいけない。
あいつのためにも。
俺はその後、急いで墓参りにいった。
途中であいつの大好きだったすずらんを買った。
「これを供えたら、お前の夢を見せてくれるか……?」
俺がそう呟くと、風がそよいだ。
――今夜は夢見が良くなりそうだな。
~END~