心友。~友達の彼氏をスキになった。~
「ハァハァハァハァ…」
「藍」
「これ使い」
マリアとユキが同時に、制服のポケットから小さくたたまれた紙袋を取り出した。
「あ」
ユキはすぐに自分のを引っ込めて、マリアが紙袋を広げ藍の口元にあてがう。
「話は後でしよな」
マリアが囁くように言い、ユキが藍の肩を抱いた。
「ゆっくりな、ゆっくり息をしよう」
「そうやで藍、ヒッヒッフ―やで」
「ちゃう、それは出産!」
ユキがマリアに突っ込むのを聞いて、苦しい息の中、藍が一度だけフッと笑った。