心友。~友達の彼氏をスキになった。~
Hをしたとかしないとか、藍達はそっち系の話をあまりしない。
三人の新密度から言えば、もっと奥深くまで打ち明け合っていそうなものなのだが、マリアとユキがそういう話をしないのは自分に気を遣っているからだ…と藍は思っていた。
高一の夏休み――
カフェのアルバイトで知り合った大学生とのひと夏の恋は、藍の中に幸せな記憶など一切残さなかった。
「遊ばれたりほかされたりした」その恋は、彼女の身も心も深く傷付けたまま、なかなか解放してはくれない。
そしてその傷が今もマリアとユキの心にも影を落としているということを、藍は申し訳なく思うと同時に、二人の優しさに胸がジンとする。