心友。~友達の彼氏をスキになった。~


終礼が終わって駆け付けると――


グランドの隅にずらった並んだ各運動部の部室からは、それぞれのウェアに着替えた精鋭たちが、グランドや体育館へと順次散って行くところだった。



「もぉ話長いねん、うちの担任」


「出遅れたな、悟もう行ってしもたんちゃう?」




卓球部の練習場は体育館の一階にある第一体育室で、もう練習を始めているとなると呼び出すのはさすがに気が引けた。


と、そこへ濃紺のポロシャツに水色の短パン姿の悟が通りがかる。




「わ、ダサ」


思わず声に出たマリアの口に、藍が慌てて手で蓋をした。




「あ」


こっちに気付き振り向いた悟の顔が、不機嫌に変化していく。




「久し振りやん悟。元気やったー?」


すかさずユキが明るく声を掛けた。





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