龍馬、時々女子高生。
私にはオッサンと空しか見えないが、周りがどんどんと騒がしくなっていくのが、はっきりと分かった。

「おネェちゃん、立てや」

私は差し出されたオッサンの手を借りて、ナイフを突きつけられたまま立ち上がった。


うわ…

イベントを見ようと集まった大勢の人々が、私達を見ていた。

恐怖や大勢に見られてる恥ずかしさで頭が混乱してきた。

心臓はバクバクと鼓動を強めている。

危うく息をするのさえ忘れそうになっていた。


暫しの間続く、膠着状態。


誰もが息をのんだ。


と、その時だった。


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