超草食な僕とギャル彼女。
侑隼がそんなこと
考えてるとは
思わなかった。
「頑張ってね」
「おう」
家に帰ると珍しく
稜がリビングにいた。
「お、兄貴おかえり」
稜は中学に入ってから
僕のこと兄貴って
呼び出したんだ。
今まで兄ちゃん
兄ちゃんって
べったりだったのに。
「あのさ、今から
彼女来るから」
「稜の?」
「俺の女じゃなきゃ
誰の女連れてくんだよ。」
おとなしい弟は
髪をワックスで整えて
すっかり男だ。
──ピンポーン
チャイムが鳴った。
「はーい」
いつもは僕が出るのに…
そう考えていると
小柄な女の子が
顔を出した。
なんかすごく
緊張してるみたいで
僕の顔を見ると
「あ…こ、こんにちは。」
とぎこちなく
挨拶をした。
「俺の兄貴。2歳上で
祥っていうの。」
「祥…さん、
はじめまして。
榎本 愛菜(エノモトマナ)と
いいます。」
そう言って榎本さんは
慌ててお辞儀をした。
「こいつが俺の彼女。」
「…うん」
何て返事するべき?
「しばらくリビングに
いるから」
そう言ってリビングに
向かう稜の後ろを
榎本さんがついていく。
「お邪魔します」