超草食な僕とギャル彼女。
こんなことするの
どうかと思うんだけど
僕は部屋に行くふりをして
階段に座って
2人を見ていた。
榎本さんは稜のことを
"稜ちゃん"って
呼んでいるらしい。
しばらくは2人して
テレビを見てたが
ちょくちょく稜が
榎本さんの手を
触っている。
あれはコツなのか?
僕は無性にメモを
取りたくなった。
「何、稜ちゃん?」
榎本さんも稜の
アピールに気づいた。
稜が榎本さんのほうに
近づく。
「愛菜…」
そう言って榎本さんを
抱きしめている。
「どうしたの?」
榎本さんは小柄だから
稜の腕の中に
すっぽり収まっている。
稜が榎本さんの耳元で
何か囁くたびに
榎本さんは赤くなる。
榎本さんが
うなずいたかと思うと
稜がキスをした。
弟のキスシーンを見る
兄はどうなんだろう。
次第にそのキスは
激しくなる。
稜はテレビを消して
もう夢中になっている。
榎本さんは苦しそうに
息をあげている。
「ハァ…ん」
榎本さんの声と
稜のリップ音と
ソファのきしむ音が
リビングに広がる。
「稜ちゃんっ、苦しいよ」
榎本さんが稜に
しがみついて言った。
「しがみついたら
逆効果なんだぞ?」
榎本さんは涙声に
なっている。
「苦しいってば」
稜が榎本さんを
離した。
「ごめんな。
愛菜が可愛すぎて
止めらんない。」
「あたしも稜ちゃんに
応えたいよ…」