君を想うとⅢ~True love~
恋愛にセオリーはない。
ルールもなければマニュアルもない。
好きになってしまったら、同性だろうと、年の差だろうと関係ない。
欲しければ求めるし、抱きたければ抱く。
獣臭いと言われようと、非倫理的だと言われようと。
俺はその持論を変える気はこれっぽっちもない。
後ろ指をさしたいならさせばいい。
俺はそんな中途半端な気持ちで高宮を愛してるワケじゃない。
そんな非難や中傷は何一つ怖くなんてない。
きっと…
俺は高宮がおばあちゃんだろうと、女子高生だろうと、男だろうと。
出会ってしまったら惹かれてしまうしかなかったように思うから。
それはまるで…磁石と磁石が引き合うように、強烈に。
きっと…
それは藤堂も同じなんだろう。
それに対して、俺は何も言えない。
だって藤堂の求めるモノも欲しいものも、手に入れたいものも俺と同じだから。
欲しいのも、手に入れたいのも一つだけ。
欲しいものは高宮伊織というオンナ、ただ一つ。
だから、俺は痛いくらいにアイツの気持ちがよくわかる。
だけどそれ以上に…
理央ちゃんの気持ちも、手に取るようにわかるんだ……。
「藤堂。お前は俺と同じ過ちを繰り返すな。」
「……。」
「俺にはできなかったけど…、お前にはできるんじゃないか?
周りの人間、みんなを幸せにする…ってヤツがさ。」