君を想うとⅢ~True love~
試すように、俺の真意を探るように、俺の瞳をジッと見つめる祐吾。
亜美と一ノ瀬の名前を出されると、俺はちょっと苦しい。
何も言えねぇっつーか、どうしたらいいのかわからねぇっつーか……。
うーん。
卑怯かもしんねぇけど、とりあえず今はなるべく考えたくない事項かもしんねぇ……。
さっきまでの元気がシュルシュルとしぼんでいってるのを察したのか
「お前はいつもそうだな。
手に入らないモノを必死に追いかけて、身近にある幸せは見ようとしない。」
祐吾は俺の前にビールを置くと、ここぞとばかりに俺を口撃しはじめる。
「お前を見てると恋愛ってなんなんだろうと考えるよ。」
「は?なんだそりゃ。」
「俺だって水島のコト、しつこくしつこく好きだったからな。お前が伊織ちゃんを忘れられない気持ちも十分わかる。」