君を想うとⅢ~True love~
「伊織ちゃんを幸せにできる男はお前じゃない。
お前を幸せにしてくれる女も伊織ちゃんじゃない。
過去にすがるな。
……未来を見ろよ、秀人…。」
涼しい目をして、キッツイ一言を放つ祐吾。
コイツ…
マジでムカつく。
友達のクセに。
俺の親友のクセに。
俺の恋路を応援しないたぁ、何事だ!!
キィィィ~っ!!!!
イライラしながらギロッと祐吾を睨むと
「お前はガキか。」
呆れたように祐吾が笑う。
「ガキだよ。ガキで悪いか!!」
「いーや。そこがお前のイイトコだと俺は思う。」
そう言って祐吾は首根っこをつかんでいた俺の両手をゆっくりと外す。
フンッ。
どーせ俺はガキだよ。
どんなに背伸びしたって、頑張ったって…俺はあの人の足元にも及ばない。
そんなのわかってる。
俺はきっと、どんなに頑張っても桐谷部長以上の男にはなれない。
心も体も、きっとあの人には遠く遥かに及ばない。
俺はどんなに頑張ってもあんな厳しく優しい、大人の男になんて、なれそうにない。
は~ぁ。
なんであんな人が存在するんだ!!!
あの人は俺のコンプレックスを刺激する唯一の男。
上司で、仲間で、尊敬すべき大切なライバル。