君を想うとⅢ~True love~
そして…一ノ瀬。
言いたいコトはわかる。
早く気づくべきことも、
本当の幸せも。
きっと俺は目を塞いで、耳を塞いで、気づかないフリをしてるんだ。
でも……
俺は残り2%を諦められない。
理由なんてわからない。
自分の気持ちが独占欲なのか、恋か愛かなんて全くもってわからない。
でも…
俺はあの時と同じ後悔はしたくないんだ。
伊織を忘れられないクセに忘れたフリして苦しんでた、あの後悔の日々を過ごすのだけはまっぴらゴメンだ。
「秀人、いい加減目を覚ませ。もう…いいだろ。
俺はお前に幸せになってもらいたいんだよ。」
慈悲深い目をしながら、俺に重い一言を呟く祐吾。
そんな祐吾に俺は
「無理。」
ぶっきらぼうにフンッと返事をする。
「俺は伊織が好きだ。欲しいのは伊織だけ。
それだけは変えられねぇよ。」
バッサリと言いきると
「お前、今までの俺の話聞いてたか!!??」
ガシガシと頭を掻きながら祐吾が突然、声を荒げる。
「聞いてたよ。」
「じゃあなんで!!
じゃあなんで理央じゃなく伊織ちゃんを選ぶんだよ!!」