君を想うとⅢ~True love~
私も……、そろそろ帰ろうかな。
しんちゃんと両親をお見送りしたら、あそこに帰ろう。
アリストコート901号室
桐谷慎の待つ、あの部屋に。
そう思いながら彼ら3人を見つめていると
「おねぇちゃんもいっしょにかえろー!!」
しんちゃんがくるりと振り返って、私を呼び寄せる。
「…えっ!?」
しんちゃんの提案に驚いて体をこわばらせていると
「高宮さんさえよければ是非!!」
「一緒に途中まで帰りましょう??」
お父さんとお母さんがニコニコしながら私のことを手招きしてくれる。
「じゃあ……、途中まで!!」
そう言ってにっこり笑うと
私は3人の元へ駆け出した。