君を想うとⅢ~True love~



あの時……、
私、避妊……した????






突然舞い降りた、甘い時間。
恥ずかしくて、消えてなくなりそうな程の羞恥心と
死んでしまいそうな程の快感。



あの時はあんな事件に巻き込まれるなんて思ってなかったから…
そんな準備なんてしてる筈もなく。




『気持ちよくなりたい?どう??高宮。』

『うん…、早く。
早く来て、桐谷慎……。』




快感だけに身を任せ。



あの時…



何も身に着けず、
私達は生まれたまんまの姿で
激しく、優しく
愛し合ってしまったコトを思い出す。






――もしかして……。





頭の中にふとよぎる予感。




私は無意識のうちに
お腹にそっと手を当てて、
ゆっくりと口を開いた。




「理央……。
お願い聞いてもらってもいい?」


「なによ、かしこまって。
あたしに出来ることなら何でもいいわよ?」


「産婦人科…ついてきてくれる??」



< 450 / 569 >

この作品をシェア

pagetop