君を想うとⅢ~True love~



家に帰ると


「ちょっとココに座んな。」


ずっと無言だった理央がダイニングテーブルを指さす。






言われるがままにダイニングチェアにゆっくりと座ると



「アンタ…、本気で産む気なの?」



厳しい顔をして理央が私に問いかける。






「うん、本気。
私、この子を産むつもり。」







キッパリと
強い目をして言い切ると理央はハァとため息を吐く。






「アンタね。
簡単に言うけど人間の子どもは犬や猫と同じじゃないのよ?
産んだらおしまいじゃないの。
出産費用だってかかれば学費だってかかる。医療費だってかかれば、育てるのには時間も手間もかかる。
アンタそこんトコわかってモノ言ってんの?」






まくし立てるように
言い聞かせるかのように




理央は厳しい言葉をズラリと並べる。





< 455 / 569 >

この作品をシェア

pagetop