君を想うとⅢ~True love~
『俺の…セイだよな…。』
『はぁ?なんでそうなんのよ。』
『だってそうだろ!?俺があの時電話なんてしなければ、伊織は事故に巻き込まれずに済んだんだ!!
事故に遭わなければ、2人は今こんな風にすれ違うことはなかった!!違うか!?』
ちょっと酷かなとも思ったけれど。
もしかしたらそっちに部長さんが現れたかもしれないという、可能性にかけて、藤堂センパイに連絡をして。
今起こっている事件を全て打ち明けた時、藤堂センパイは電話の向こうで苦しそうにそう言った。
伊織の事故のキッカケになった、1本のあの電話。
あの電話の主は……
他の誰でもない、藤堂センパイだ。
成田空港で最後にかけたあの電話。
あの電話が……
あの事故に繋がった。