君を想うとⅢ~True love~
「オマエと一緒にいると、すげぇ落ち着く。
オマエと一緒にいると、すげぇ楽しい。
伊織といるといつも切なくて苦しくてドキドキしたけど…、一ノ瀬と一緒にいるとちょっと違う。」
――セン…パイ…??
さっきとは違う、穏やかで涼しい顔。
夏の日差しの中にフッと現れる、頬をなでる風のように。
涼しい目をしてセンパイは遠くを見つめる。
「一ノ瀬にはどんな俺も見せられる。
嫌なヤツな俺も、弱虫な俺も、ガキでどうしようもない俺も。」
そう言って。
センパイは私の顔をフッと見る。
「一ノ瀬は…どんな俺でも見てくれる。
どんな俺でも受け入れてくれる。
ソレは俺にとってはありえないほどの安心感と幸福感で……。
伊織は埋めてくれなかった淋しさみたいなモンを…オマエは全部全部埋めてくれたよ。」
センパイは“ちょっとゴメンな”と仁に小さく呟いて、よいしょっと立ち上がる。
そしてあたしの目の前に立つと、私の瞳をジッと見つめてこう言った。
「だから……一ノ瀬。
俺と結婚してくんねぇか??」