こねたぼっくす



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ここまで来ちゃったらもう、諦めるしかなくて。

…なんて、諦められないんだけど。

せめてもの一歩として、美華ちゃんを映画に誘ってみた。

前に見たいって言ってた、今話題の映画。

約束は10時に駅前の時計台。

だけど…俺はその時間、ベッドの中にいた。


カチカチと2人にメールを打つ。

美華ちゃんにも送信して…よし。


「…これで斗真と美華ちゃんも、くっつくかな」


なんてったって今日はクリスマスイヴだし。

クリスマスの奇跡…とか。


「…はは」


それで傷付くのは、俺なんだけど。

別に美華ちゃんが幸せならそれでいいとか、そんな綺麗事をぬかすつもりはない。

ちょっとは思うけども。

でも明らかに2人は両思いで、俺が我慢すればいいだけなんだから…俺が退くしかないだろ?


「あー…暇だ」


きっと、2人が付き合うようになったら俺は美華ちゃんと話せなくなる。

あの斗真が嫉妬しないはずがないし。

あーもう、泣きそう。



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