闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「こっちだよ 」
そうドレスの足を引っ張られた。
「キャッ、誰? そこにいるの 」
誰かが小さな草木の茂みに隠れている。
しゃがんで木の間を覗き込むと、ダークが顔を見せた。
「ちょっと、そんな所で何してるの? 」
ダークはシッと人差し指を立てた。
「一応、ここに入っちゃいけない決まりになってるから 」
「じゃあ何してるのよ 」
そんな木の中に隠れて…
私の肩くらいまではあるし、周りはそんなに明るくないから見つかりにくいとは思うけど。
「早くここから逃げろ 」
「急にどうしたの? 」
「嫌な予感がするんだ。ここは臭う 」
嫌な予感って……
一気に場の空気が変わる。
「変なこと言うのやめてよ 」
「臭いをたどって来たらここに着いた。とにかく、俺とここから離れた方がいい 」
「どういう意味? ちゃんと説明…… 」
「何やってるの? 」
後ろから話し掛けられて、ビクンと体が跳ねる。