闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

中へ入ろうとして、ふと上を見上げると、バルコニーにルキアが立っていた。


月の明かりに照らされた彼は、遠くの空を見つめている。


私の視線に気付いたのか、ふと目が触れ合った。


ドキ……


だけど、すぐにそらされてしまった。


やっぱり、私を受け入れてくれたわけじゃないのかな。


中へ入り、広い廊下へ出ると、中央の階段を上った。


さっきのバルコニーへ行くと、すでに彼の姿はなかった。


話だけでも、出来たらいいのに。


手すりに手を置いて空を見上げる。


綺麗な星屑たちが散らばっている。


ゴーンゴーン


20時を知らせる鐘がなった。


「もう始まる… 」


結局、相手も決まらず一人寂しく風に吹かれて終わりかぁ。


「踊らないのか? 」



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