運命の初恋愛
チラ――。

ハンドルを握るジュヨンさんの指に目をやる。


必死に私に伝えようとしてくれた、傷だらけの指……。


これが、全てだから――……




「(僕が信じられない?)」

黙り込む私に、ジュヨンさんが言った。



「ちっ……違いますっ。ただ――」

「(ただ?)」


「本当に、私なんかでいいんですか?」

素朴な疑問をぶつける。



きらびやかな世界に住む、ジュヨンさんが、どうして私なんか?



一般人だという、ユ・ジナさんだって、私の何億倍も素敵な人なのに…………。

きっと、ジナさんのお姉さんも、キレイな人なんだろうな……。



何を間違って、私――……?



「(一目惚れなんだ)」

ジュヨンさんから、想いもよらない言葉が返ってきて戸惑った。


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