涙飴

恋愛橋



白い包装紙で包んである小さな正方形の箱にブルーのリボンが十字に巻かれてあり、箱の上で蝶々結びになっている。

いかにもプレゼントというようなラッピングだ。


「へぇ~…これ、あげるんだ?」


あたしがそのプレゼントを右手に持ちながら聞くと、美津菜はコクンと頷いた。


「ネックレスなんだけど…大丈夫かな?
重くないかな…付き合ってもないのに…」


美津菜は不安げな声でそう聞いて来る。

あたしはその不安を取り除く様に、にっこりと微笑む。


「全然大丈夫だって!
絶対上手く行くから。

あそこで告白するんでしょ?
えーっと……恋愛橋、だっけ?」


その橋で結ばれたカップルは永遠に一緒に居られるっていうジンクスのある橋。

恋愛橋という名前はここの学校の生徒が勝手に付けた名前で、今では恋愛橋と言えば先生にも伝わるまでになった。


あたしたちがその名前を知ったのはつい最近だけど。
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