涙飴
「いいな~!
うちらもマネやりたいよね!姫月!」


あたしの心を読むかの様な美津菜の台詞に、あたしはびっくりした。


「でも、大地君がもう人数がギリギリだから、これ以上は無理だってさ」


「そっかぁ……ていうかさ、大地君ってもしかして今日華耶と一緒に登校してた人?」

へ?
もしかして、大地と一緒に学校に来たの……?


「うん。マネージャーの事とか話がてら、一緒に来たんだ」


信じられなかった。
だって、あたしが大地の事を好きだと知っていて、堂々と大地と一緒に登校なんて普通出来るだろうか。

マネージャーだって、もしかしたら大地に近付きたいが為に……?

こんな事は考えたくないけれど、考えが止まらない。

ただのあたしの勘違いだよね。
いや、勘違いであって欲しい。


「そっか。
マネージャー、頑張ってね!」


あたしは精一杯の笑顔を華耶に向けた。
精一杯に笑ったつもりだけれど、何処か不自然だったかもしれない。
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