俺はお前だけの王子さま

露天風呂の2人


初日はほとんど移動で時間を費やした。


辺りはすっかり暗くなっている。


湯けむりの中

熱いお湯に浸かりながら
景色を眺めた。


俺的に…
露天風呂はやっぱ冬に限る。


「雪が無ぇ…」


「は?そりゃ~お前6月だもん」


気持ちよさそうに空を仰ぎながらヒロキが答える。


俺たちはリゾートタイプの宿舎につくと


時間帯を分けて
お風呂に入ることになっていた。


区切られた隣の敷地から
はしゃぐ女子の声が聞こえる。


仕切りを見てヒロキが笑う。


「なぁ…ジャンプしたら向こう覗けそうじゃねぇ?」



< 137 / 558 >

この作品をシェア

pagetop