俺はお前だけの王子さま

「…お前が言うと冗談に聞こえねぇから」


「はは、マジで覗けるか賭けようぜ」



ザバッとお湯から上がるヒロキ。


ヒロキはタオルを腰に巻いて
ストレッチするように足をブラブラさせた。



「馬鹿かお前」


正気かよ…

マジであほだ。


だけどヒロキは俺を振り返ってにやりと笑った。


「てか…ジャンプしなくても見えんだけど。渡瀬さんもいるぜ?」



「…は?」


俺もザバッとお湯から上がる。


んなわけ…



少し慌てた俺を見て
ヒロキは笑った。


「あはは冗談だし。やっぱお前も見たいんじゃん」



…は?

冗談?


「素直じゃねぇな~」


笑うヒロキを俺はにらんで
上がりかけた体をまたお湯に沈めた。



ってか…

俺はお前を
止めに入っただけだし…


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