俺はお前だけの王子さま
「なにすんのよ!」





パチンッ!


私の頬にも鋭い痛みが走った。


「ちょっ…やめてよ!」


なお手をあげようとする相手に
加奈子は私を守るように止めに入った。


いよいよ騒然としてきた脱衣場。



「同情を利用して男を騙すなんて最低!昔も今も変わらないよね」


「まじキモいんだよ」


興奮してきたのか
どんどん酷くなる罵声。


加奈子も泣き出し
もうぐちゃぐちゃだった。









そんな時だった―――…


脱衣場の扉を
軽く叩く音と同時に


「なにしてんの?」



脱衣場の外から声がした。


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